英国の医療:今日は乳ガン検診『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』
去年の秋の話だが、悩まされていた外耳炎のせいかわからないが、どうも右耳の聞こえが悪い。ネットで調べると突発性難聴の可能性とかいろいろ怖いことが書いてある。心配だしGP(General Practitioner、地域のかかりつけ医 )に行くしかないかなぁ、、、。
英国ではどんな病気でもまずGPに行ってそこから専門医に回されるのが通常の流れだ。
予約の電話をすると、運よくその日にキャンセル空きがあり非常勤のドクターに診ていただくことができた。
英国においてこれはラッキーなことで、だいたい命に関わらない症状はGPに診てもらえるまで7日~10日は待たされたりもするのである。
診察では、血圧を測ったり、脈をとったり(先生、耳ですが、、、、)耳の中を一応見たりした結果、これはスペシャリストに回しましょう、と先生が耳鼻科スペシャリストのいる病院にオンラインで診察依頼をしてくれた。
「NHS本部から予約の詳細が郵送されますからね、ご存知のようにNHSは時間がかかりますが、お大事にね。」
(NHS=National Health Service は「国民保健サービス」で、登録した人は国籍にかかわらず公平に医療を施すと言う英国独特の医療システム)
エ?それだけ? 予約取れるまで放っておいて私の耳は大丈夫なの?
私音楽家ですよ、、、
わかってはいたものの、もうこれで私の右耳は手遅れになってひどいことになるんだ、と思うと途方にくれるような気がして来る。 そして待てど暮らせど予約の手紙が届かない!
所用で年末を日本で過ごすことにしていたので、日本の耳鼻科の先生に診ていただいて、この件に関してはことなきを得た。その後、ようやく予約の手紙が届いたが、予約日は GPの先生のリクエストから3ヶ月後!であった。
英国の医療システムには本当に頭が下がる。その恩恵を受けている私であるが、やはり文句が言いたくなって来るほど、そのシステムは、もういっぱいいっぱいギリギリのところまで来ていて経営は困難。至るところで深刻な問題が起きている。
現在NHS は、予防的ヘルスケアに力を入れていて先日は血液検査のお知らせが来た。
日本の特定健康診断のようにオーガナイズされている訳ではないので、単独で各種の検査をしたりする。
血液検査後2週間くらいすると、結果を取りに来てくださいと電話がありクリニックに行くと、「コレステロール値が高いですね。低脂肪ダイエットのパンフレットを差し上げますのでそれをよく読んでください。それと近くのスポーツジムに通うこともお薦めします。クリニックからの紹介だと、会費が割引になります。」とのこと。
ふ~~ん、なるほどね。レセプションの女の子はコンピューターの私のデータを見ながら、子宮頚がんの検査が
済んでないと言う、予約を入れましょうか?と言うので。
ヒョエ~ちょっと待って。近いうちに乳ガンの検診もありますし、
そのうちにお願いします、と切り抜けた。経営難なのに本当に申し訳なくなってしまう。
メイ首相はEU離脱後にはEU予算をNHSや教育に予算を回してシステム改善を約束している。
そして今日は乳ガン検診だった。
Photo by Sanorui&NK