COVID-19こんな日が来るとは、、不自然な静寂 『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

本当に長い間、何も書かなかった。書けなかったと言った方が正しいかもしれない。今年1月中旬にロンドンの音楽、シアター、アートの中心となっているサウスバンクセンターが毎年シリーズで行っているインターナショナル・ピアノ・シリーズの一環でリサイタルを開いたのだが、その準備や急に増えたピアノのティーチングに時間が取られたこともあり、アッと言う間に時間が過ぎてしまった。そしてそのアッと言う前に今年の1月時点では全く夢にも思わなかった事態が今起こっている。

新型コロナウィルスCOVID-19拡大防止対策としてとうとう英国でもロックダウンと言う非常事態措置が取られたのだ。ロックダウンになって2週間目だが、ロックダウンになる前の市民のパニック状態は信じられなかった。どこのスー パーも棚が空っぽになる、と言う異常事態が生じた。私は2月の中旬頃から何やら不穏を感じて、備蓄を始めていたので、特に今買えないと困ると言うものもなく、パニック買いの被害はあまりなかったのは幸いだった。その頃はまだパブもレストランも開いていたのであまり真実味もなかったし、テレビでイタリアやスペインの深刻な状況が報じられていても、対岸の火事のごとくで、科学者の警鐘も特に真剣に聞いている人はあまりいなかったように思う。他のEU諸国とは違う措置を取ることで、BREXITEU離脱した英国は自分たちは右へ習いはしないことを強調するかの如く、学校閉鎖やロックダウンを拒んでいた感のあった英国だが、2週間くらいの間にあれよあれよと、状況が変化していった。いざロックダウンになってスー パーと薬屋以外のシャッターが閉じ、学校も公共施設は全てシャッターが降りると不思議な静寂が街を包んだ。1日一度許される運動のための外出、必要な品だけの買い物も1日一度だけだ。公園は開いているが普段子供たちで賑わうブランコなどの遊び場コーナーは閉ざされた。スー パーの前には長い列。2メートル間隔開けて待たなくてはいけないので、スカスカな長蛇の列となる。街中で人とすれ違うこともない。歩道ですれ違いそうになると皆大きなカーブを描いたように避けて通る。暗黙の了解・ルールが即出来た。

この国に住む人びとは各戸マスク2枚支給くらいでは言うことは聞かない。

給料の80パーセントは国が保証するからとにかく出勤しないで!金出すから家にこもれ!と言うことで、国民を従わせた。

もちろん給料の80パー セントをきちんともらえる国民がどれくらいるのかわからない。当初該当しなかった自営業や自由業の猛烈

 

f:id:Sanorui:20200403004018j:plain

ロックダウン中の買い物

f:id:Sanorui:20200403003850j:plain

子供の消えた公園



 

 





な反発に政府は慌ててこの分野の市民にも80パー セント支援すると言う約束をした。新たにこの2週間で95万人が生活保護支給の申請をしたそうだ。国が借入金でやりくりするのだろうが、今後経済の立ち直りの見込みはあるのだろうか?いつかは立ち直るのだろうが何年かかるのか?何十年かかるかもしれない。

日本に飛ぶ航空便も激減。すぐに日本には帰れないし帰ってもいつこちらに戻ってこれるかわからない。日本に老いた両親を残している日本人の知り合いたちは、まさかこんな日が来るなんて、と心配を募らせている。公園に子供のはしゃぐ声もなく、乗客一人か二人の空っぽのバスがいつものように走っているのがシュールな光景のロンドン。

不自然は静寂はいつまで続くのだろう、、、