重度自閉症で盲目の教え子を持つこと『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』
ここしばらくやる気がない。頭の中はやたら忙しくグルグルと考え事で脳みそが凝ってガチガチな感じがするのに、実際何か行動しようとするとナ~~~ンにもやる気が出てこない。
何が原因なのだろう。
確かに来客が続いたり、忙しい日が続いていた。
何をするにも膝のことは気がかりだし、、、(この件は後日また書くことにする)
この「やる気のなさ」は実は現在、ある『気がかりなこと』が持ち上がっていて、何をしていても考えがそちらに行ってしまうことが原因なのではないか、とこの2、3日思うようになった。
6月上旬、重度自閉症で盲目の男性(35歳)がピアノ教授を探しているが、教えられないか?と言う打診があった。彼はいわゆるサヴァン症候群で1歳の時からピアノに興味を示し、上級の曲も難なくこなす。その記憶力は超人的なのだ。以前視力障害のあるピアニストの学生を指導したことはあるが重度自閉症を抱える人を教えた経験はない。
私は『心』『心の病』関連についてとても興味があり、その手の本も随分読んだが、自分の頭の中で知的に興味があるのと現実は違う。実際にその方面に素人の私が関われるのだろうか?
レッスンは彼のケアラー、ファシリテイター(彼と私の間に入って通訳的なことをしてくれる人)が立ち会うので、それほど心配は要らないと言われた。
まずは現在のレッスンの状況を視察させてもらった。(とても緊張したが有意義な経験だった)
全てを書くとものすご~~~く長くなるので、詳細は省略するが、私としてこのチャレンジを引き受けてみようと言う気持ちになった。周囲には反対の声も多々あるのだが、、、
教え子になるであろうNさんとは個人的なコミュニケーションは今の所取れないので、彼の父親と今後の方針を計画中だ。9月から始めるレッスンに向けて、色々な準備が必要になってくる。
私は『魂』のレベルで通じ合える事を祈っているのだが、どのような言葉かけをすれば良いのか?どのように新しいレパートリーを広げていくのか?(これは私が演奏したものを録音して徐々に積み重ねていくことになる)情報量が多すぎたり不穏だった時に起きるかもしれない『メルトダウン』もあるだろうし、私には未知のことだらけだ。でにとても勉強したいことの分野なので、とにかく現在この件が頭から離れなくなって取り憑かれてしまっている。
そんな訳で、ブログも疎かになっていた。
この歳で全く新しいチャレンジをしようとすると自分はこうなるのだ、と言うことがわかったのも意外な発見である。
Photo by Sanorui&NK