素敵なスマイル『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

歩道で乳母車を押す女性とすれ違った。

すれ違い際に目が合うと彼女はニコッと私に微笑んだ。私もハッとしてすかさず微笑み返した。

何故ハッとしたか、と言うと、かつてこの街に私が学生として来た10代の頃には、街で知らない人と微笑み合うのは通常のマナーだった。通りですれ違った時、電車の中で目が合った時、目を合わせて微笑むと言うマナーが健在していた。バス停で長い列を生真面目に作ること、ドアを後ろからくる人がいれば、閉まらない様に手で押さえる、とか、些細だけど人と人が思いやるマナーがたくさんあった。

大都会で人と人はなるべく目を合わさない様にする。少なくとも私にはそう見える。やたら目を合わせて問題が起きるのを避けるサバイバル術と言えるかもしれない。いつの間にか私もそんな世知辛い世の中の慣いに順応してしまった、そんな自分にハッとしたのである。

ほんの一瞬の出来事だったけれど、スマイルの爽やかさと温かさを再認識した。

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