もう無い店『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

日本で気に入っていた店がある。ワインバーなのだが、

気軽にワインが飲める店で女性一人でも気後れする必要もなく、赤ちゃんを連れて来る若い女性もいたし、近くの大学で教えている外人教授たちにも人気があった。

カジュアルだけど誰からも邪魔されずに静かな時間が過ごせるところが魅力。

週日の16時~18時はハッピーアワーがあり、ハウスワインが通常グラス300円のものは半額の150円で、500円のものが250円と本当にハッピーなお値段でワインを提供する店だった。

夕方一人新聞を読みながら、ワインを1、2杯飲むには、もってこいの場所。

そこが7月末で閉店したと言う。

次回訪れるのを楽しみにしていたのに、本当に残念だ。

数多き店の中でもレアな存在だっただけに、代わりがすぐに見つかるだろうか。

 

こう考えるとロンドンでは静かに過ごせるお店はなかなかない。

一軒好きなパブがあるが、ワイン1杯が日本円で1200円程度もするし、いつも静かとは限らない。気兼ねなく一人でリラックスしてくつろぐ感じではない。どこかに緊張感がある。

これはこのパブに限ったことでなく街のどこに居ても、欧米の大都市では必ず持つ緊張感と言ってもいいだろう。治安上ボーッとして居れないのだ。

 

ロンドンはすっかり秋らしくなって何となくもの寂しい。遠い日本の「もう無い店」のことに思いを馳せると無性に懐かしくて仕方がない。

 

Photo by Sanorui&NK

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