ギックリ膝で悟ったこと『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

長いことブログを書けずにいたが、今日は『ギックリ膝』の話。

ギックリ『腰』ならぬ『膝』。私が勝手につけた呼び名だが、私が患ったのはいわゆる捻挫である。でも感覚的にギクッとなったところがギックリ腰のようだったので、そう呼ぶことにした。

風邪・インフルで1ヶ月以上こもった生活をしていたらあれよあれよと言う間に筋力低下したらしい。以前から膝がカックンカックンしたりしゃがんだり正座をすると痛いとかの症状はあったが、1月から再開したウォーキングでずっと左膝がおかしいとは感じていたが、筋力をつけようと頑張っていた。そして2週間ほど前のある日、仕事のミーティングランチが終わり、みんなと外に出たとき歩道の段差に気づかず左脚がこけてしまった。その時ズキ~~ン、と膝に痛みが来て、痛いしグラグラして上手く歩けないが、仕事上の人もまだ居るので極めて平常を装い、ゆっくり歩いてその場をつくろった。グループと別れて一人になった帰路の地下鉄の駅の階段では、初めて手摺りのお世話にならないと降りれない、ということを経験!(思わず誰もみてないよね、って感じで周りを見ましてしまった)

この後2日ほど安静にしていたら、外出出来るほどに回復した(ような気になった)ので、その週末お天気も良いし、散歩がてら外出。そろそろスーパーに寄って買い物してから帰ろう、と考えていたらちょうど、これから行こうとするスーパーの前に止まるバスが向こうからやって来るではないか、バス停にもう止まりそう!慌てて乗ろうと小走りに走り出そうとしたその瞬間、左膝にガック~~~ン、衝撃。膝なので目から星は飛ばなかったが、一瞬左脚がグラグラして足なくなったん?という感覚に襲われ、とにかく立てない。右足でケンケンしてベンチまで移動、、、身体中がショックでガクガクしてどうしようもなかった。

世の中、もっとひどい病気や怪我をしている人が多数いる中、これしきのことをここで逐一書くのも何だか気がひけるが、、、、

一応、週明け救急外来のある近くの病院に行き診察してもらった。

かなり丁寧に診てくれはしたのだが、診断は捻挫だねぇ、まぁ

安静にして後はこのエクササイズをリハビリとしてやってね、とプリントを手渡されてお終い!

あのぉ、サポーターとか、貼り薬とか使った方がいいですか?と質問すると、そうだねぇ、まぁそれであなたの気分がよくなるのなら、使うのもいいでしょう。サポーターはあんまりきついのを使わない方が良いですよ、との事。あなたの気分が良くなるのならぁ????

リハビリに保険でかかるにはGP(General Practitioner 地域のかかりつけ医)からの紹介が必要だ。

インフルの時にもなかなか医者に診てもらえなかったが、今回もなかなか順番が回って来なさそうだ。トホホ、、、

で、私は悟った。腹を括った。

この国ではとにかく自力で治していくしかないんだ、と。

死にかけそうな時は救急車を呼べば良いし、今回のようなケガは救急外来がある。

それ以外は自分の自然治癒力に頼るしかないみたいである。

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自分だけのピアノ・マインドフルな時間『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

ロンドンでは現役のスーツ姿のサラリーマンが、昼休みの一部を割いてオフィス近くの練習スタジオでポツリポツリと一音ずつ練習しているのをよく見かける。アメリカでも当時の住まいの近所には夜仕事から帰ると必ずショパンの曲、それも同じ曲しか弾かない銀行員の女性がいた。私の学生時代の大家さんは仕事から帰ると毎晩欠かさずベートーヴェンピアノソナタを練習する、なんだかスヌーピーに登場するシュローダーみたいな人だったのをよく覚えている。みなさん自分のために、ピアノを通して音楽を生活の一部として真に楽しんでいるようだった。

最近は随分と変わったかもしれないが、とかく日本のお稽古事は、厳しい決まりごとが多く、楽しむことは不謹慎なのか、と思わせるくらい敷居を高くする傾向があってもちろん日本のそのような精神性や制度は素晴らしい独自の文化を育み、日本人の勤勉さ優秀さは、世界でも高く評価されることになるのだが、、、。

昔、ピアノやってたけどレッスン厳しくてやめちゃった、と言う人が結構いる。

音楽は好きだし、ピアノも好きだから弾いてみたいけど、子供時代のトラウマが、、、と尻込みしてしまう人が多い。

誰のためでもなくただ自分のためだけに、大人世代がゆとりを持って音楽を楽しめるって素敵なことだなぁ、と思っている。

誰に遠慮することも気兼ねすることもない、自分だけのマインドフルな時間持てたら。

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小さな願い『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

何年か前、スコットランドの小さな村で開催されたフェスティバルに出演した時、コンサートの後、知らない女性が楽屋に訪ねて来た。

「私は3年前に5歳の息子を事故で亡くしました。目の前で事故にあって死んだのです。私は我が子を助けてやることが出来なかった。それ以来私は音楽を聴くことが出来なくなりました。今日はあの事故以来、初めてのコンサートなのです。何か、ふとそういう気になったもんで。コンサートが始まると、一つ一つの音が身にしみて、悲しみや痛みが戻って来てつらいと感じた瞬間もありましたが、何かが流されて行くのを、たくさんの感情の流れをヒシヒシと感じました。今は今日このコンサートに来て本当に良かったと思います。そのことをどうしてもお伝えしたくてこうして楽屋にお邪魔しました。」と。

音楽の、それも生の音は時として信じられないパワーを持つ。

日常の忙しなさに流されると、芸術に触れようと言うエネルギーがだんだんと消え失せる。芸術は嗜好品に例えられることもしばしばあるが、お腹をペコペコにすかせている我が子に十分な食事を与えることすら困難な貧困の中にいたら、芸術も音楽もへったくれもないであろう。音楽で空腹は満たせない。

そう考えるとやるせない気持ちになって仕方がない。

昨日、友人が彼女の子供4人(9歳の女の双子、三女8歳、長男2歳)そしてもう一人9歳の女の子テイラーちゃんを連れて我が家に遊びに来た。

友人は小学校の福祉指導主任をしているのだが、昨日は訳あって一日テイラーちゃんを預かることになったらしい。テイラーちゃんは、里親を転々として、今一緒にいる里親とはとてもうまくいっているが、事情があって別の里親のところに移るそうだ。

うちに遊びに来る子供達はだいたいピアノに直行する。

ただひっぱたいているだけなのだが、私の譜面を譜面台に載せている弾いている「フリ」をしているのが超おかしい。

テイラーちゃんはピアノにとても興味を持った様子で、最初は恐々としていたのだが、飽きずに長いことポロンポロン一本指で優しく音を出して遊んでいた。

彼女は何を感じたのだろうか?

とても知りたかったけど、なんかそっとしておいたほうが良い気がして何も尋ねなかった。彼女は新しい里親のところに移ることはまだ知らされていないそうで、遠くに行くことになるらしい。もうきっと会うことはないと思うけど、ピアノを触ったこと、ピアノの生の音に触れたこと、ずっと覚えていてくれたらいいな、と願わずにはいられなかった。

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スノードロップ(待雪草)『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

朝起きると雨が降っている。まだ体調もすっきりしないから今日はウォーキング中止!と思っていたら午前9時頃雨はパタリと止み、外は珍しく輝かしい陽射しの晴天。

急遽着替えてウォーキングに出ると、いつものルートで今年初めてのスノードロップ(待雪草)を見つけた。

「希望」(特に逆境の中の)や「慰め」、はたまた「死」という花言葉のあるスノードロップだが、私はこの可憐な花が大好きなのである。緑がかった白から純白へのシェードが微妙な花びらに雨雫がスパンコールのように輝いて美しい。

このスノードロップがあちこちで咲き始めると、まだまだ寒くて冬真っ只中でも

どこかで自然のエネルギーがふつふつとしているのを感じて、近くにいる春の予感に心温まる。

 

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「ドナ・タート」で始まった2019年『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

2019年が明けてもう2週間経った。

数日前にドナ・タート著『ゴールドフィンチ』を読み終えた。

この長編を読み終える頃にはクリスマス直後に襲われたインフルエンザから立ち直るだろうと思っていたのだが、生憎まだ100パー回復していない。インフルエンザにも後遺症があるのだろうか?熱もないのに筋肉痛と節々の痛さ、全身の倦怠感とともにノドの炎症もすっきりしない。

さてこの『ゴールドフィンチ』だが、一言面白かった!次から次へと展開するスリル満点のストーリー。著者のストーリーテラーとしての才能に舌を巻いた。そして最も大切なのは物語の面白さだけでなく、哲学的な大きな問いかけが隠されているということ。

読後数日経った今もずっと考え続けている。

唯一残念なのは、この作品が映画化されることかもしれない。

インフルエンザとドナ・タートで始まった新年は健康の大切さとアートの大切さの再認識。

 

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『ゴールド・フィンチ』と共に『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

クリスマスの翌々日夕食を食べ終えた頃から節々の痛さが気になり始めた。立ち上がろうとすると腿の筋肉が痛む。筋力が何故こうも急に衰えるの~~!加齢を呪いながら頑張ってストレッチをしたりしたが、あんまり効果ない。

背中がゾクゾク寒くてもう一枚羽織った私の頭を一抹の不安が過る。

これってひょっとして? うつった? え、また~?うそでしょ~?

ひどい風邪からようやく脱出して1週間しかすぎていないこともあり、また具合が悪くなることを否定したい自分が、パニクってる。

でも敵はそんな私の不安な気持ちなどお構いなしに、遠慮なく私の細胞に忍び込み増殖を始めたらしい。寝支度をする時間になると、顔が火照って身体中がドキンドキンズキンズキンするので、恐る恐る熱を測ると、ダ~~ン、38度3分! やられた~~!

そうです、今度はインフルエンザにやられました。

これを書く今は熱は下がったものの、頭痛と全身の倦怠感、ひどい喉の痛みと時々乾いた咳。今後は、炎症が喉から気管支にだんだん移行していき咳もひどくなるだろう。

2018年幕締めの12月の大半は、風邪とインフルエンザに振り回されたことになる。

ウイルスはクリスマスパーティでもらって来たものらしいが、潜伏期間中である27日の昼間、私は買い物に出かけたついでに本屋に寄った。ドナ・タートの長編『ゴールドフィンチ』の文字の大きさを実際に見てみたかったからだ。最近は本のフォントが小さいと読み辛いので、読みたい本も自分に合うフォントのものしかハードコピーでは購入しない。キンドルは文字の大きさを調節出来るという便利さがあるとは言え、長編はやはり紙の重みを手中にずっしりと味わいながら読みたい。幸いちょうど良いフォントだったので、この長編を最後まで途中で投げ出さずに読破出来るか少々不安もあったが、その場で定価購入。最近定価で本を買うことが減った私にしてはかなり衝動的な行動ではあった。

28日は高熱でノックダウン。せっかく上映中の『万引き家族』を観に行く予定でチケットも買ってあったのに泣く泣くキャンセル。

食欲もないし動く気もしないが、本を読むぐらいは苦にならないので、購入したばかりのドナタートを読み始めた。ワーォ、これが期待を遥かに上回りページを繰る手が止まらない。

私はこの本に取り憑かれた形になった。

最近読書にこんなに時間を割くことはなかった。つまり今回のインフルノックダウンがなければ、ここまで没頭出来ていないはずだが、何よりかにより、これほど取り憑かれたようになる作品に出会っていなかった。

私の潜在意識は知っていたのだろうか?

年末年始のお休みの巷の静かな気配、ぐったり生気のない自分と、この物語のドラマチックな展開。このシュールな感覚は筆舌に尽くしがたい。

こんな夢見ごごちの大晦日は初めて。読書にどっぷり浸かるのって至福ですよね。

A Happy New Year!

 

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クリスマス・ラッピング『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』  

何年かぶりでクリスマスを英国で過ごす。本来のクリスマスとは関係のない日本でのお祭り騒ぎも不思議だったが、この国のクリスマスへ向けてのエネルギーは半端ないことを再認識している。BREXIT問題で国家不安の状況にあるのに、政治家もクリスマス年末年始としっかりお休みする。

クリスマスと言えば、クリスマスツリー。ツリーの下には綺麗にラッピングされたプレゼントがクリスマスの日までそこに置かれる。

私のところにはツリーもないし、クリスマスっぽいものはあまりないが、それでもクリスマスのランチパーティーに招待されたので、クリスマスプレゼントをかなり準備しなければならない羽目になった。まだラッピングも完了していない。

なんとか明日のクリスマスイヴまでに出来れば良いや、と放っておいたが、ちょっと心配なので昨夜一部のラッピングを始めると、いろいろなものが足りないことが判明。まず肝心なラッピングペーパーが足りない。以前買ってあったもので間に合わせようと算段していたのだが、全然足りなさそうだ。

私の経験した限りこの国の方々はプレゼントを開けるときラッピングをビリビリ破きながら開ける。『あぁその紙、高かったのに~~~』と、何度お財布の中のお札が引き裂かれるような思いでその情景を眺めていたことか!

日本人が綺麗に元の状態になるように包み紙を丁寧に開いて、それをまた後生大事に取っておく、なんて奇特な人は居ない。

だから、もう最近はお金をなるべくかけないように心がけている。安っぽ~いペラペラの紙で十分。パウンドショップ(日本の100円ショップのように優秀ではないが)で買い求める。

ラッピングペーパーだけでなくギフト用タグ(名札)も足りない!

挙句の果てにはプレゼントの数も足りないことが判明した。

ラストミニッツショッピングで賑わう街には出たくないのに、、、

しとしと雨が降る中を出かけなくてはならない。雨のクリスマス前の日曜日。

こうして不満や愚痴ばかりが頭を過るが、質素ながらもお祝いが出来ることに感謝するとしよう。

皆さまどうか静かな良いクリスマスを過ごされますように。

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