自分だけのピアノ・マインドフルな時間『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』
ロンドンでは現役のスーツ姿のサラリーマンが、昼休みの一部を割いてオフィス近くの練習スタジオでポツリポツリと一音ずつ練習しているのをよく見かける。アメリカでも当時の住まいの近所には夜仕事から帰ると必ずショパンの曲、それも同じ曲しか弾かない銀行員の女性がいた。私の学生時代の大家さんは仕事から帰ると毎晩欠かさずベートーヴェンのピアノソナタを練習する、なんだかスヌーピーに登場するシュローダーみたいな人だったのをよく覚えている。みなさん自分のために、ピアノを通して音楽を生活の一部として真に楽しんでいるようだった。
最近は随分と変わったかもしれないが、とかく日本のお稽古事は、厳しい決まりごとが多く、楽しむことは不謹慎なのか、と思わせるくらい敷居を高くする傾向があってもちろん日本のそのような精神性や制度は素晴らしい独自の文化を育み、日本人の勤勉さ優秀さは、世界でも高く評価されることになるのだが、、、。
昔、ピアノやってたけどレッスン厳しくてやめちゃった、と言う人が結構いる。
音楽は好きだし、ピアノも好きだから弾いてみたいけど、子供時代のトラウマが、、、と尻込みしてしまう人が多い。
誰のためでもなくただ自分のためだけに、大人世代がゆとりを持って音楽を楽しめるって素敵なことだなぁ、と思っている。
誰に遠慮することも気兼ねすることもない、自分だけのマインドフルな時間持てたら。
Photo by Sanorui&NK