『ゴールド・フィンチ』と共に『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

クリスマスの翌々日夕食を食べ終えた頃から節々の痛さが気になり始めた。立ち上がろうとすると腿の筋肉が痛む。筋力が何故こうも急に衰えるの~~!加齢を呪いながら頑張ってストレッチをしたりしたが、あんまり効果ない。

背中がゾクゾク寒くてもう一枚羽織った私の頭を一抹の不安が過る。

これってひょっとして? うつった? え、また~?うそでしょ~?

ひどい風邪からようやく脱出して1週間しかすぎていないこともあり、また具合が悪くなることを否定したい自分が、パニクってる。

でも敵はそんな私の不安な気持ちなどお構いなしに、遠慮なく私の細胞に忍び込み増殖を始めたらしい。寝支度をする時間になると、顔が火照って身体中がドキンドキンズキンズキンするので、恐る恐る熱を測ると、ダ~~ン、38度3分! やられた~~!

そうです、今度はインフルエンザにやられました。

これを書く今は熱は下がったものの、頭痛と全身の倦怠感、ひどい喉の痛みと時々乾いた咳。今後は、炎症が喉から気管支にだんだん移行していき咳もひどくなるだろう。

2018年幕締めの12月の大半は、風邪とインフルエンザに振り回されたことになる。

ウイルスはクリスマスパーティでもらって来たものらしいが、潜伏期間中である27日の昼間、私は買い物に出かけたついでに本屋に寄った。ドナ・タートの長編『ゴールドフィンチ』の文字の大きさを実際に見てみたかったからだ。最近は本のフォントが小さいと読み辛いので、読みたい本も自分に合うフォントのものしかハードコピーでは購入しない。キンドルは文字の大きさを調節出来るという便利さがあるとは言え、長編はやはり紙の重みを手中にずっしりと味わいながら読みたい。幸いちょうど良いフォントだったので、この長編を最後まで途中で投げ出さずに読破出来るか少々不安もあったが、その場で定価購入。最近定価で本を買うことが減った私にしてはかなり衝動的な行動ではあった。

28日は高熱でノックダウン。せっかく上映中の『万引き家族』を観に行く予定でチケットも買ってあったのに泣く泣くキャンセル。

食欲もないし動く気もしないが、本を読むぐらいは苦にならないので、購入したばかりのドナタートを読み始めた。ワーォ、これが期待を遥かに上回りページを繰る手が止まらない。

私はこの本に取り憑かれた形になった。

最近読書にこんなに時間を割くことはなかった。つまり今回のインフルノックダウンがなければ、ここまで没頭出来ていないはずだが、何よりかにより、これほど取り憑かれたようになる作品に出会っていなかった。

私の潜在意識は知っていたのだろうか?

年末年始のお休みの巷の静かな気配、ぐったり生気のない自分と、この物語のドラマチックな展開。このシュールな感覚は筆舌に尽くしがたい。

こんな夢見ごごちの大晦日は初めて。読書にどっぷり浸かるのって至福ですよね。

A Happy New Year!

 

Photo by sanorui&NK

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