ロンドンの秋晴れ『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

昨夜の強風と雨でこんなに空が綺麗。 天からプレゼントが届きそう。 Photo by Sanorui&NK

Blessing『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

ゴージャスな秋の空。深~く深呼吸。 Photo by Sanorui&NK

もう無い店『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

日本で気に入っていた店がある。ワインバーなのだが、 気軽にワインが飲める店で女性一人でも気後れする必要もなく、赤ちゃんを連れて来る若い女性もいたし、近くの大学で教えている外人教授たちにも人気があった。 カジュアルだけど誰からも邪魔されずに静…

割り切れない音楽・柱を見つける『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

私が演奏活動を始めた頃の英国は、筋金入りに保守的で、シェーンベルク、アルバン・ベルク、ウェーベルンなどの新ウィーン楽派でさえ「現代音楽」と思われていて、ウィーン楽派のシューベルトと新ウィーン楽派のウェーベルンを合わせて演奏するというような…

キツネの都会生活『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

静かな土曜日の昼下がり、家で仕事をしていると外からチューチュー、プニョプニョ、チューチュー、と奇妙な音が聞こえてくる。何事かと2階の窓から外を見ると、隣人の庭の植木の茂みのあたりで、何と子狐がゴムボールのようなもので遊んでいる!プラスチッ…

合意なきEU離脱に備えた文書公開『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

合意のないまま離脱を迎えるという、いわゆるHard Brexit の「万が一の事態」に備えるための文書の一部が公開された。 EUとの貿易に関税がかけられれば、英経済は大きな打撃を受ける。 金融サービスではカード支払いのコストが増すことが予想される。 EU枠内…

「香り」は無口な音楽家『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

音楽家としてそしてまた調香師として活躍している大学時代の友人がいる。 まだ暑かった日曜日の午後久しぶりの再会を果たしたのだが、後日その再会の日のきれいな夜空と夏の夜の幸福感をイメージしたという、私のために特別にブレンドした香水をプレゼントし…

マン・ドッグ・ウォッチング『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

動物好きの英国では犬や猫を飼っている人が多い。お散歩中の飼い主と飼い犬を見るのが結構楽しい。 最近1つの傾向に気がついたことがある。 ミドルクラスの白人の多くが中~大型犬、例えばゴールデンレトリバーやラブラドール、スコテュシュボーダーコリー…

客観的な風景『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

腰と膝をやられてしまったようだ。専門家に聞いたところ、無理しない程度に動いた方が良いということなので、ウォーキングに出たが、なんだかやはり調子が良くない。 公園のベンチに座ってただボンヤリしていると、走る人、散歩中の犬、乳母車の赤ん坊が、左…

Ave Maria by Noa『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

先日のブログでイスラエルのシンガー、アヒノアム・ニニ(通称ノア)について書いたが、彼女が歌っているグノー作曲のアヴェ・マリアは、彼女自身の詞で、素直な飾り気のない言葉で願いが込められている。 明日8月15日はイタリアではFerragotoと言う祝日で聖…

文字通り「立秋」『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

突然秋になった。本当に唐突で容赦なく。 日本の立秋の日の辺りから文字通りで驚いている。 気温は17度から20度程度で空はドンヨリの時が多い。太陽が出れば、日差しはまだ暑いが、それでも光が秋っぽい。カーディガンにジャケット無しでは外は寒い。 日本は…

イスラエル時代:シンガーNoaについて『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

私はイスラエルに1991年1月~1998年10月まで住んだ。 私の住んだ時代は、湾岸戦争の勃発という大変な時期から、PLOとの和平合意、中東平和のイリュージョンを垣間見た劇的な時期であった。 2016年4月7日の東京新聞夕刊に「混迷のイスラエル 歴史…

音楽家の練習場所『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

音楽家が抱える深刻な事情。それは練習時の音出し問題。防音の音楽室を自宅に完備している音楽家は少数派だろうから、音を出す「ご近所迷惑な」ミュージシャンは、苦労して練習の時間帯や練習場所の工面に悩む。私もその一人だ。 現在ロンドンでの自宅練習に…

イライラ『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

日本の危険な暑さや台風被害、今月初めの近畿地方土砂災害の悲惨さはロンドンでも報道された。今まで聞いたこともなかったスウェーデンの森が火事になり、ギリシャでも死者多数の大変な火災が起こった。北半球がカラッカラなのだろう。 英国も1976年以来の暑…

シンプルな食事『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

久しぶりにイタリアはミラノを訪問した。 姉妹のように親しい友人ルクレツィアとの再会が目的だった。かなり長い間実際に会うことはなかったのだが、お互いまだ若く人生の形成期とも呼べる時期からの仲なので、全くと言って良いほど会えなかった時間のギャッ…

Pause その3:Antonio Machado『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

スペインの詩人アントニオ・マチャード(1875 - 1939 ) のナゾナゾ。 “Between living and dreaming there is a third thing Guess it. “ ”生きることと夢見ることの間に、第3のものがある。想像してみてごらん。” 前回のブログ、Pause その2に載せたアメリ…

Pause その2:Naomi Shihab Nye『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

アメリカの女流詩人 Naomi Shihab Nye のContemporary Authorsインタビューより “I have always loved the gaps, the spaces between things, as much as the things. I love staring, pondering, mulling, puttering. I love the times when someone or som…

英国人との温度差『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

英国北部のヨークシャーを訪ねた。 気温は22~3度暑くもなく寒くもなく旅行には都合の良い天候だった。 でも夜や日差しが陰ると気温は下がるのでカーディガン、薄いコートは必要。 薄手のスカーフも重宝する。 軽いダウンを着る夏もあることを考えれば、今年…

Walking Music『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

朝のウォーキング時に聴く音楽について。 最近偶然選んだジプシーキングのグレイテスト・ヒッツを聴きながら歩いた。歩く速さがいつもよりかなり増している。スロージョギングくらいの速さだ。歩くスピードが音楽のリズムや速度に影響されるのはごく自然で当…

クリスティアーノ・ロナウドの集中力『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

ワールドカップ開催中! 先日のポルトガルースペイン戦でスコア2対3とスペインがリード、ゲーム終了まであと2分というところで、ポルトガルのロナウドがフリーキックを見事に決めてドローに持ち込みゲーム終了した。この緊迫したフリーキックは世界中のニ…

Pause その1:Pema Chödrön『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

“When we pause, allow a gap and breathe deeply, we can experience instant refreshment. Suddenly, we slow down, look out, and there's the world.” ~Pema Chödrön 『ふと手を休める時、胸の奥の隙間にまで深~く息を吸い込んでごらんなさい。一瞬にし…

カラフルなドレス『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

ある時期から持っている服が黒とか紺という暗い色調になってしまった。うんざりするくらい旅ばかりしていた時期からだ。濃い色合いの服はまず汚れが目立たないという大きなメリットがある。旅先でうっかりトマトソースで胸元を汚そうと、そう慌てる必要もな…

ミントの季節『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

夜の9時半頃に日の入りするロンドンの今の時期は一年のうちで一番開放的で気持ちの良い季節だと思う。 庭のハーブも元気いっぱいに育っている。こう書くと庭で栽培しているように聞こえるが、残念ながら現在の生活はガーデニングからはほど遠い。 過去に植え…

Hiraeth ヒライス『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

「Hirarth/ヒライス 」とはウェールズ語で「もう帰れない場所に帰りたいと思う気持ち」のことを表している、と Ella Frances Sanders著『Lost in Translation』に出ていて知った。 ヒライスの英訳を調べると「ノスタルジー」とか「望郷」とか訳されているが…

エルダーの木『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

この時期になるとどこからともなく若草のような爽やかでほのかに甘いシトラス系の香りが漂って来る。エルダーフラワーの香りだ。 淡いクリーム色がかった白い小さな小さな花が小皿くらいの大きさにふんわりまとまって咲く。 花が終わると黒い実になる。 エル…

チェルシー・フラワー・ショー『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

英国王立園芸協会(RHS)が主催する世界でもトップクラスの園芸ショーイベント 『チェルシー・フラワー・ショー』が今年も始まった。今日から土曜日まで開催。 https://www.rhs.org.uk/shows-events/rhs-chelsea-flower-show 今年はお天気にも恵まれているので…

手紙『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

私が10代で海外に出た頃は、日本との通信手段は限られていて手紙と国際電話しかなかった。 緊急時には電報というものもあったけど、とにかく国際電話もよほどのことでもない限りかけることはなかったので、郵便が通常のコミュニケーションの唯一の手段だった…

素敵なスマイル『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

歩道で乳母車を押す女性とすれ違った。 すれ違い際に目が合うと彼女はニコッと私に微笑んだ。私もハッとしてすかさず微笑み返した。 何故ハッとしたか、と言うと、かつてこの街に私が学生として来た10代の頃には、街で知らない人と微笑み合うのは通常のマナ…

水の輪のように『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

「、、、、、水へ投げられた石から出来た輪がスーッと消えてなくなる様に この肉体が消されりゃ後は何も残らない。」 母がノートに残した言葉だ。 でもその水は蒸発上昇し天に登る。そしてまた雨となって戻り私たちを潤す。 水たまりは雨しずくの輪をたくさ…

ピクニックの残骸『ロンドン・コーリング/Nomad Lifeを生きる』

先週末のバンクホリデーウィークエンドは好天気に恵まれて巷は賑やかだった。 午前9時頃いつものようにウォーキングに出ると公園は普段に比べて人数が断然多い。 ピクニックの場所の陣取りに来ているのだ。ブランケットを敷いてビーチパラソルまで広げている…